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【実録】息子の成績がV字回復!「写すだけ」のムダな努力を終わらせた中学生のノートまとめ方

【実録】息子の成績がV字回復!「写すだけ」のムダな努力を終わらせた中学生のノートまとめ方

「また、このノート…」

中学2年生の息子の部屋で、机に広げられた社会のノートを見て、私は静かにため息をつきました。びっしりと黒い文字で埋め尽くされ、ところどころ赤い線が引かれている。一見すると、真面目に勉強している証のように見えるかもしれません。

でも、私にはわかる。これは勉強じゃない。ただの「写経」だ、と。

教科書に書かれている文章が、一字一句違わずにそのまま書き写されているだけ。そこには、息子の思考や疑問、発見のかけらも存在しませんでした。

「このやり方じゃ、絶対に頭に入らない…どうしてわからないの…?」

心の声が、喉まで出かかって、寸でのところで飲み込む。期末テストの結果は案の定、平均点を少し下回る程度。毎日夜遅くまで机に向かっているのに、全く成果に結びつかない。息子の努力が、まるで空回りしているようで、見ている私の方が胸が苦しくなりました。

「なぜ私の子だけが…」そんな理不尽な焦りが、心を支配し始めていました。あなたも、お子さんのノートを見て、同じような無力感や焦りを感じたことはありませんか?時間をかけているのに成績が上がらない、その根本原因が、実はこの「ノートのまとめ方」にあるとしたら…?

この記事は、過去の私と同じように悩むあなたへ向けて書いています。これは単なるノート術の紹介ではありません。教科書を丸写しするしかなかった息子が、自ら考え、知識を繋げ、最終的に成績をV字回復させた、私たちの「戦いの記録」であり、未来を変えるための具体的な「設計図」です。

絶望の淵で…「写すだけ」が生んだ親子の断絶

「ノートはもっと丁寧に、後から見てわかるようにまとめなさい」

最初は、そう優しく諭すことから始めました。文房具店に走り、カラフルなペンや付箋を買い与え、「これで重要だと思うところに線を引いてごらん」と、一般的な「良いとされる方法」を試しました。

しかし、結果は悲惨なものでした。ノートはただカラフルになっただけで、本質は何も変わらない。「どこが重要かわからない」と呟く息子。色分けのルールもなく、ただランダムに色が散りばめられたノートは、以前よりもっと見づらく、混乱を招くだけでした。

「そうじゃない!どうして考えないの!」

気づけば、私の口調はどんどん厳しくなっていました。良かれと思って言った言葉が、息子の心をナイフのように傷つけていく。息子の表情から光が消え、机に向かう背中が、以前にも増して小さく、孤独に見えました。

「もう、お母さんは何も言わないで…」

ある夜、ついに息子からそう言われた時、頭をガツンと殴られたような衝撃を受けました。私は息子の成績を上げたい一心で、一番大切なはずの息子の心を、知らず知らずのうちに追い詰めていたのです。努力が報われない息子の苦しみと、それを理解できずに正論ばかりを押し付ける私。私たちの間には、深くて冷たい溝ができていました。

転機は突然に。それは「家の設計図」だった

途方に暮れていたある日、私は偶然、教育雑誌で「思考を整理するためのノート術」という特集を目にしました。そこに書かれていたのは、衝撃的な一文でした。

「ノートは、情報を記録する『倉庫』ではない。思考を組み立てる『作業場』である」

その記事では、成績優秀な生徒たちのノートが紹介されていました。それは、私が息子に求めていた「綺麗なノート」とは全くの別物。キーワードが線で結ばれ、イラストや図がふんだんに使われ、余白には「なぜ?」「つまり?」といった自問自答のメモがびっしり。彼らにとってノートとは、教科書を写すためのものではなく、自分の頭の中を整理し、知識を再構築するための「自分だけの設計図」だったのです。

ここで、私はハッとしました。

  • 一般的な解決策(他人の家の模写): 教科書を丸写しするノートは、他人が建てた立派な家の設計図を、ただひたすら綺麗に模写しているようなもの。見た目は整っていても、なぜその柱がそこに必要なのか、壁の裏側はどうなっているのか、全く理解できていない。だから、少し違う角度から質問(応用問題)されると、途端に何も答えられなくなる。
  • 私たちの新しい解決策(自分だけの設計図): これから目指すノートは、まず「どんな家に住みたいか(学習のゴール)」を考え、重要な「柱(キーワード)」を立て、それらをどう「壁(関連情報)」で繋ぐか試行錯誤するプロセスそのもの。見た目は不格好かもしれないけれど、家の構造は完全に自分のものになっている。だから、予期せぬトラブル(初見の問題)にも柔軟に対応できる。

この「設計図」という例え話は、私と息子の間にあった分厚い壁を壊すきっかけになりました。「写すこと」が目的になっていた間違いに気づき、私たちは「思考を可視化する」という新しい冒険に出ることを決意したのです。

「写経ノート」から「育てるノート」へ。息子が変わった3つのステップ

私たちは、まず社会の歴史から試してみることにしました。いきなり全てを変えるのではなく、小さな成功体験を積むことが重要だと考えたからです。

### ステップ1:黒ペン1本で「キーワード」だけを抜き出す

最初に、カラフルなペンと定規を全てしまいました。そして、「教科書を読んで、重要だと思う人名、地名、出来事だけを、箇条書きでノートに書き出してみよう」と提案しました。文章を丸ごと写すのではなく、情報の「骨格」だけを抜き出す作業です。

最初は戸惑っていた息子も、「これだけでいいの?」と言いながら、ポツリ、ポツリと単語を書き出していきました。

「織田信長」「本能寺の変」「豊臣秀吉」…

すると、今まで文章の濁流に埋もれて見えなかったキーワードが、くっきりと浮かび上がってきました。これが、自分だけの設計図作りの第一歩、「柱」を立てる作業でした。

### ステップ2:「なぜ?」「どうなった?」を矢印で繋ぐ

次に、「そのキーワード同士って、何か関係あるかな?矢印(→)で繋いで、間に何があったか一言で書いてみよう」と促しました。

息子は少し考えた後、ペンを走らせました。

織田信長 →【本能寺の変で死ぬ】→ 豊臣秀吉

「そうそう!その調子!じゃあ、どうして本能寺の変が起きたんだっけ?」

「えーっと…明智光秀が裏切ったから」

「じゃあ、それも書き込んでみよう」

明智光秀 --【裏切り】--> 織田信長 →【本能寺の変で死ぬ】→ 豊臣秀吉

まるで点と点が線で結ばれていくように、バラバラだった知識が因果関係で繋がり始めました。息子の目が、少しずつ輝きを取り戻していくのがわかりました。「思考」が動き出した瞬間でした。

### ステップ3:自分の言葉で「図」や「イラスト」を描いてみる

最後に、「この流れを、教科書を見ないで、簡単な絵や図でまとめてみない?」と持ちかけました。完璧じゃなくていい、自分さえわかればいい、と。

息子は照れながらも、棒人間で人物相関図のようなものを描き始めました。驚いたことに、教科書を丸写ししていた時には決して見せなかった「遊び心」がそこにありました。信長をちょっといじわるそうな顔に描いてみたり、秀吉を猿っぽく描いてみたり。

この「自分の言葉や絵で要約する」という作業こそ、情報を完全に自分のものにするための最終工程でした。誰かの設計図をなぞるのではなく、自分の頭で考え、自分の手で描き上げた、世界に一つだけの「設計図」が完成したのです。

ノートが変われば、未来が変わる

この3ステップを始めてから、息子に驚くべき変化が訪れました。

  • 学習態度の変化: 「勉強させられている」という受け身の姿勢から、「謎を解き明かす」ような主体的な姿勢に変わりました。ノートの余白には「なぜこの人は天下統一できた?」「他の武将は何してた?」といった、彼自身の「問い」が書き込まれるようになりました。
  • 成績の変化: 次の期末テスト。社会の点数は、なんと前回から30点もアップ。他の教科でもこのノート術を応用し始め、全体でも平均点を大きく上回る結果を出したのです。
  • 親子の関係の変化: 何より嬉しかったのは、私と息子の会話が増えたことです。「お母さん、実は坂本龍馬ってさ…」と、学んだことを楽しそうに話してくれるようになりました。あの冷たく閉ざされていた扉が、再び開かれたのです。

あの絶望的だった「写経ノート」は、今や息子の思考の軌跡が詰まった「宝物」に変わりました。それは、ただのテスト対策ではなく、彼がこれから生きていく上で必要不可欠な「考える力」そのものを育む、最高のトレーニングになっていたのです。

比較表:ダメなノート vs 伸びるノート

特徴❌ ダメなノート(写経・倉庫)✅ 伸びるノート(思考・作業場)
目的綺麗に書くこと、写すこと覚えること、理解すること、思い出すこと
内容教科書の文章がそのままキーワード、疑問点、自分の言葉での要約
見た目びっしり詰まっている、カラフル余白が多い、図やイラスト、矢印が多用される
思考停止している(受け身)活発に動いている(主体的)
復習効果低い(読んでも思い出せない)非常に高い(見た瞬間に流れが蘇る)
結果努力が報われない成績が上がり、勉強が楽しくなる

FAQ:よくある質問

### Q1. うちの子は絵が苦手なのですが、大丈夫でしょうか?

全く問題ありません。目的は上手な絵を描くことではなく、情報を視覚的に整理することです。棒人間や簡単な記号、丸や四角を線で結ぶだけでも十分効果があります。「自分だけがわかる暗号」を作るような感覚で、楽しんで取り組むことが大切です。

### Q2. どの教科から始めるのがおすすめですか?

まずは、お子さんが比較的好き、あるいは興味を持っている教科から始めるのがおすすめです。特に、歴史や地理、理科の生物分野など、ストーリーや関係性が重要な単元は、このノート術の効果を実感しやすいでしょう。

### Q3. 最初からうまくできません。親子で喧嘩になってしまいます。

焦らないでください。長年の癖を直すのは時間がかかります。最初は親が「こことここが大事かな?」とキーワードを一緒に探してあげるなど、伴走してあげることが大切です。決して「やり方が違う」と否定せず、「面白いね!」「そういう見方もあるんだ!」と、お子さんの試行錯誤そのものを褒めてあげてください。

まとめ:さあ、あなたも「最強の参考書」作りを始めよう

かつての私は、息子のノートに「正解」を求めていました。しかし、本当の意味で成績を伸ばし、学ぶ楽しさを教えるために必要だったのは、「正解」ではなく、息子自身の「思考のプロセス」を認め、育むことでした。

教科書をただ写すだけの時間は、もう終わりにしませんか?

ノートは、未来の自分を助けてくれる最強の参考書です。そしてそれは、誰かに与えられるものではなく、自分自身の手で作り上げるものです。

この記事で紹介した方法は、ほんの始まりにすぎません。ぜひ、お子さんと一緒に「自分たちだけの設計図」を描く冒険を始めてみてください。最初は小さな一歩かもしれません。しかし、その一歩が、お子さんの学習への向き合い方を、そして未来を、劇的に変える力を持っていることを、私は確信しています。