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【体験談】塾なし中学受験は無理?地方のハンデを覆した親子の家庭学習ロードマップ

「もう、うちの子には無理かもしれない…」

リビングのテーブルに山積みになった算数の問題集を前に、私は何度ため息をついたことでしょう。地方在住の我が家には、中学受験に対応できる進学塾がありません。小学5年生の息子と二人三脚で挑むと決めたものの、鶴亀算や流水算といった「特殊算」の壁にぶつかり、私の手には負えなくなっていました。

「どうしてわからないの!」と声を荒らげては自己嫌悪に陥る日々。息子の瞳からは自信の光が消え、勉強は苦行に変わっていました。焦りと孤独感で、心が押しつぶされそうでした。あなたも、画面の向こうで同じように悩んでいませんか?

この状況を変えたのは、ある一つの「気づき」でした。それは、子供のつまずきを「家の雨漏り」に例える考え方です。

私たちは、雨漏りで濡れた床に、ただバケツを置くことばかりしていました。つまり、解けない問題の解法をその場しのぎで教え込んでいたのです。しかし、本当の問題は床ではなく「屋根の穴」。つまり、息子が理解できていない基礎の単元にありました。その穴を塞がない限り、バケツをいくつ置いても雨漏りは止まらないのです。

この発見から、私たちの「塾なし受験」は戦略的なものに変わりました。

まず、羅針盤となる教材として、解説が圧倒的に丁寧な四谷大塚の「予習シリーズ」を選びました。親が読んでも理解できる詳しい解説は、まさに暗闇を照らす灯台でした。これをベースに、1週間の学習計画を立てました。

  • 平日: 1日1教科、予習シリーズの要点チェックと例題に取り組む
  • 土曜午前: 1週間の総復習と演習問題
  • 土曜午後: 苦手単元のやり直し
  • 日曜: 予備日・完全休息日

ポイントは「親が教師にならない」こと。特に私が教えきれない算数の応用問題は、月額制の映像授業サービス(スタディサプリなど)に頼りました。有名講師の解説は驚くほどわかりやすく、息子も「なるほど!」と目を輝かせることが増えました。私は息子の隣で一緒に授業を聞き、「先生すごいね!」「この解き方面白い!」と、教師ではなく「一番の応援団(コーチ)」に徹したのです。

親が感情的に教えるのをやめ、質の高い教材(羅針盤)と計画(地図)、そして外部の力(GPS)を手に入れたことで、私たちの航海は安定しました。息子は自ら計画を立てて勉強するようになり、私は息子の頑張りを認め、励ます役割に集中できました。

地方在住だから、塾がないからと諦める必要はありません。正しい戦略と、親の役割を変える少しの勇気があれば、家庭学習は最強の武器になります。この道は、ただ合格を目指すだけでなく、親子の絆を深め、子供の自立心を育む、かけがえのない旅になるはずです。あなたの挑戦を、心から応援しています。