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【体験談】スマイルゼミでゲームばかり…親子の信頼を壊しかけた私が、たった3つのルールで「学びのエンジン」に火をつけた方法

【体験談】スマイルゼミでゲームばかり…親子の信頼を壊しかけた私が、たった3つのルールで「学びのエンジン」に火をつけた方法

「またゲーム…?」

リビングに響く、軽快な電子音。それは、息子がスマイルゼミのミニゲームに熱中している音でした。時計の針は夜8時を指しています。今日の学習目標は、まだ半分も終わっていません。

「今日の勉強、終わったの?」

画面に釘付けの息子の背中に、自分でも驚くほど冷たい声が出ました。振り返った息子の顔は、一瞬にして不機嫌に。「あとでやるよ!」その言葉を聞くのは、今週で何度目でしょうか。

学習習慣が身につき、学力もアップするはず。そんな期待を込めて始めたスマイルゼミ。それが今では、親子の新たな火種となり、私の心をじわじわと焦がしていました。あなたも、同じような無力感と焦りに、胸を痛めていませんか?

この記事は、かつての私のように「スマイルゼミでゲームばかりする子ども」に悩み、途方に暮れているあなたのためのものです。これは、小手先のテクニック論ではありません。私がどん底の失敗から学び、試行錯誤の末にたどり着いた、親子の信頼関係を取り戻しながら、子どもの学習意欲に火をつけるための、魂の記録です。

もしあなたが、「もう解約しかないかも…」と諦めかけているなら、あと5分だけ、私の話に付き合ってください。きっと、あなたの家庭にも光が差すはずです。

絶望の始まり:「スター」のために勉強する息子と、鬼になる私

スマイルゼミを始めた当初、息子は目を輝かせていました。「タブレットで勉強できるなんて、すごい!」と、自分から進んで机に向かう姿に、私は「これなら大丈夫」と胸をなでおろしたのです。

しかし、その喜びは長くは続きませんでした。

最初の違和感:目的が「学ぶこと」から「スター集め」へ

異変に気づいたのは、始めて1ヶ月が経った頃。息子が口にする言葉が変わってきたのです。

「今日の算数、スター何個もらえる?」

「この漢字ドリル、早く終わらせてスター貯めないと!」

彼の興味は、学習内容そのものではなく、クリア後にもらえる「スター」という報酬に完全にシフトしていました。勉強は、大好きなゲームをするための「チケット」を手に入れるための作業。その瞳からは、新しいことを知る喜びや、問題が解けた達成感といった輝きが消え失せていました。

失敗の連続:私が試した、すべてのNG対応

「このままではいけない」焦った私は、ネットで見たような「一般的な解決策」を片っ端から試しました。しかし、それは状況を悪化させるだけの、最悪の選択でした。

  • NG対応1:ゲーム時間を一方的に制限する

「ゲームは1日15分まで!」とルールを決めましたが、息子はタイマーが鳴ってもやめません。「あと少しだけ!」と懇願され、根負けして許してしまう日もあれば、無理やり取り上げて大泣きされる日も。ルールはあっという間に形骸化し、私のストレスだけが増えていきました。

  • NG対応2:「なんで勉強しないの!」と感情的に叱る

「あなたのためを思って言ってるのに!」気づけば、私は毎日同じセリフを叫んでいました。息子の心には響くどころか、反発心を煽るだけ。「ママはゲームのことしか言わない!」と、親子関係に深い溝ができていきました。

  • NG対応3:タブレットを隠す、取り上げる

最終手段として、タブレットを隠したこともあります。結果は最悪でした。息子は家中を探し回り、見つからないとわかると癇癪を起こす。その姿を見て、私は思いました。

> (心の声)「私は一体、何をしているんだろう…。息子の学習習慣をつけさせたかっただけなのに、どうしてこんなに憎しみ合わないといけないの?勉強なんて、できなくてもいい。ただ、前のよう笑い合える親子に戻りたい…。もう、疲れた…。」

学習ツールであるはずのスマイルゼミが、私たち親子の信頼関係を破壊する凶器に変わってしまった瞬間でした。解約の二文字が、頭の中を何度もよぎりました。

一筋の光:問題は「キャンディ」ではなく、「食事の価値」が伝わっていないことだった

もうダメかもしれない。そう思っていたある日、育児書の片隅にあった一文が目に留まりました。

「子どもをコントロールしようとするな。子どもの一番の応援団であれ」

頭をガツンと殴られたような衝撃でした。私はこれまで、息子を「勉強させる」ことばかり考え、彼の気持ちを理解しようとしていなかった。彼の隣に立ち、一緒に走る「伴走者」ではなく、後ろから鞭を打つ「監視者」になっていたのです。

そのとき、ふと、ある例え話が頭に浮かびました。

【例え話】栄養満点の食事と、カラフルなキャンディ

スマイルゼミでゲームばかりしてしまう状況は、まるで「栄養満点の食事が用意されているのに、食卓に置かれたカラフルなキャンディばかり食べてしまう」ようなものです。

親が「キャンディはダメ!」と取り上げるのは簡単です。でも、それでは子どもは食事の時間を「キャンディを我慢する苦痛な時間」としか思わなくなってしまいます。

本当に大切なのは、なぜこの食事が体にとって素晴らしいのか、このお肉を食べるとどんなに力が湧いてくるのか、その「食事の物語」を一緒に楽しむこと。そして、「キャンディは、美味しい食事を全部食べた後の、最高のご褒美にしようね」と、楽しみの順番と価値を教えてあげること。

問題はキャンディ(ゲーム)の存在そのものではなく、食事(勉強)の本当の価値が、子どもに伝わっていないことにあるのです。

この気づきが、私のすべてを変えました。私は監視者をやめ、息子の「最高の応援団」になることを決意したのです。

我が家を救った3つの新ルール:監視から「伴走」へ

私は息子と向き合い、今までのやり方が間違っていたことを正直に謝りました。そして、親子で新しいルールを作ることにしたのです。それは、子どもを縛るためのものではなく、親子で一緒にゴールを目指すための「作戦会議」でした。

ルール1:「やることリスト」で学びを冒険に変える

まず、スマイルゼミの膨大なミッションの中から、「今週やるべきこと」を一緒に選び、ホワイトボードに書き出すことにしました。まるで、冒険の地図を作るように。

  • 具体的にやったこと
  • 「今日のミッション」を3つだけ選ぶ:国語の漢字、算数のドリル、理科の動画視聴など、親子で相談して決めます。「多すぎず、簡単すぎず」がポイントです。
  • 終わったら派手にチェック!:息子自身に、マジックで大きな花丸をつけさせます。この「自分で達成した」という感覚が、自己肯定感を育みました。
  • 親は「できたこと」だけを褒める:「すごい!今日のミッション、コンプリートだね!」「この漢字、難しいのにきれいに書けてる!」と、具体的に褒めることで、彼の有能感を刺激しました。

これにより、勉強は「やらされる作業」から「自分で決めたミッションをクリアする冒険」へと変わっていったのです。

ルール2:「先生役」になってもらい、承認欲求を満たす

次に、息子がその日学んだことを、私に教えてもらう「おしえて先生タイム」を設けました。

  • 具体的にやったこと
  • 夕食後、5分だけ時間を確保:「今日の理科で面白かったこと、ママにも教えてくれる?」と声をかけます。
  • 私は徹底的に「生徒」になる:「へぇ!そうなんだ!」「なんでそうなるの?」と、大げさなくらいに質問し、感心します。
  • 感謝を伝える:「先生のおかげで、ママも賢くなっちゃった!ありがとう!」と伝えると、息子は照れくさそうに、でも誇らしげに笑うのです。

アウトプットすることで学習内容が定着するだけでなく、「自分はママの役に立っている」という承認欲求が満たされ、学ぶことへのポジティブな感情が芽生え始めました。

ルール3:「ゲーム」の位置づけを再定義する

そして最後に、問題の「ゲーム」との付き合い方について、改めて話し合いました。ゲームを完全否定するのではなく、その位置づけを変えたのです。

  • 具体的にやったこと
  • ゲームは「冒険を頑張った勇者のご褒美」:「今日のミッションを全部クリアしたら、勇者の証として15分間のゲームタイムをゲットできる!」というルールにしました。
  • タイマーは自分でセット:親が「やめなさい」と言うのではなく、息子自身にタイマーをセットさせ、鳴ったら自分でやめる、という自己管理の練習をさせました。最初はうまくいかなくても、根気強く見守りました。
  • ゲーム以外の「ご褒美」も用意:週末には「ミッションを5日間クリアしたら、一緒に公園で本気で遊ぶ」「新しい本を買いに行く」など、リアルな体験のご褒美も設定。デジタルの楽しみが全てではないことを伝えました。
やってはいけないNG対応我が家のおすすめOK対応効果
一方的に時間を制限する親子で「ご褒美」としてのルールを決める子どもがルールに納得し、主体的に守ろうとする
感情的に叱り、否定する「できたこと」を具体的に褒め、承認する自己肯定感が育ち、学習意欲が向上する
タブレットを取り上げる学習内容をアウトプットさせ、親が学ぶ学びが「自分のもの」になり、承認欲求が満たされる
ゲームを悪者にするゲームを「頑張った証」と位置づけるメリハリがつき、自己管理能力が身につく

この3つのルールを始めてから、息子は少しずつ変わり始めました。驚くべきことに、「ママ、今日のミッション、もう決めようよ!」と、自分から声をかけてくるようになったのです。

取り戻した笑顔:スマイルゼミは「最高の相棒」になった

今では、息子はスマイルゼミを「勉強させられる嫌なもの」ではなく、「自分の冒険をサポートしてくれる相棒」として捉えています。もちろん、今でもゲームは大好きです。でも、以前のように、それに支配されることはなくなりました。

学習するときは集中し、ミッションを終えると、誇らしげな顔で「ママ、終わったよ!ゲームしていい?」と聞きに来ます。その顔は、以前の不機嫌なものではなく、達成感に満ち溢れています。

何より変わったのは、私自身かもしれません。

息子の学習状況を「監視」するのではなく、彼の挑戦を隣で「応援」する。点数や進捗だけに一喜一憂するのではなく、彼が昨日より一歩でも前に進んだことを一緒に喜ぶ。そのスタンスの変化が、冷え切っていた親子の関係に温かい日差しを取り戻してくれました。

リビングに響く電子音は、今も変わりません。でも、その音を聞く私の心は、以前のような焦りや怒りではなく、息子の成長を頼もしく思う、穏やかな気持ちで満たされています。

よくある質問(FAQ)

Q1: ゲーム機能を完全にオフにすることはできますか?

A1: スマイルゼミの標準機能では、ゲームを完全にオフにすることはできません。これは、学習への動機付け(ゲーミフィケーション)の一環として設計されているためです。だからこそ、ゲームを禁止するのではなく、この記事で紹介したように「うまく付き合っていくルール」を親子で築くことが非常に重要になります。

Q2: この方法は、何歳くらいの子どもに有効ですか?

A2: 我が家では小学校中学年で実践しましたが、基本的な考え方は、小学校低学年から高学年まで応用できると考えています。特に、子どもが「自分で決めたい」という自我が芽生え始める時期には効果的です。お子さんの年齢や性格に合わせて、ルールの内容(ミッションの数やゲーム時間など)を調整してあげてください。

Q3: 親が忙しくて、なかなか付き合う時間が取れません…

A3: お気持ちはよくわかります。毎日べったり付き合う必要はありません。大切なのは「時間」よりも「質」です。例えば、「おしえて先生タイム」は夕食後の5分でも十分です。ホワイトボードの確認も朝の数分でできます。重要なのは、「ママ(パパ)は、あなたの頑張りを見ているよ、応援しているよ」というメッセージが子どもに伝わることです。短い時間でも、その子の目を見て、真剣に向き合う瞬間を作ることが、子どもの心を育てます。

まとめ:タブレットを取り上げるな、親子の対話を取り戻せ

スマイルゼミで子どもがゲームばかりしてしまう問題。その根っこにあるのは、ツールの機能ではなく、親子のコミュニケーションのすれ違いでした。

私たちはつい、子どもを「正しい道」へと導こうと、コントロールしてしまいがちです。しかし、本当に子どもが求めているのは、管理されることではなく、自分の挑戦を信じ、応援してくれる存在です。

もしあなたが今、かつての私と同じように出口の見えないトンネルの中にいるのなら、どうか思い出してください。

  • 監視者から伴走者へ:子どもの学びを管理するのではなく、隣で応援するスタンスに切り替える。
  • 「できたこと」に光を当てる:学習のプロセスを可視化し、小さな成功体験を親子で祝う。
  • 対話こそが最強のツール:ルールも、目標も、ご褒美も、親子で話し合って決めることで、子どもの主体性を引き出す。

スマイルゼミは、正しく使えば、子どもの知的好奇心を引き出し、学習習慣を育むための強力なツールです。しかし、その鍵を握っているのは、高性能なタブレットではなく、あなたの「関わり方」そのものなのです。

この記事が、あなたの家庭に笑顔と対話を取り戻す、小さなきっかけになることを心から願っています。