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【子供の教育費 貯め方完全ガイド】目標額と始める手順

「子供の教育費、一日でも早く準備を始めるべきなのは分かった。でも、結局いくら必要なの?」「学資保険、つみたてNISA、iDeCo…色々あるけど、どれを選べばいいの?」
前回の【教育費の罠】「まだ先のこと」と思っているあなたが、10年後に必ず後悔する理由記事を読んで、具体的な行動を起こそうとしているあなたへ。この記事は、その疑問に一つひとつ丁寧にお答えする「教育費準備の実践マニュアル」です。
教育費の準備は、正しい「目標設定」と、ご家庭に合った「制度の選択」、そしてそれを継続するための「仕組みづくり」が全てです。
この記事では、文部科学省の最新データを元にした具体的な目標額の目安から、各金融制度のメリット・デメリット、そして教育費を無理なく捻出するための家計改善テクニックまで、必要な情報を網-羅的に解説します。この記事を読めば、漠然とした不安が具体的な行動計画に変わり、自信を持って子供の未来のための第一歩を踏み出せるようになります。

目次

【目標設定編】あなたの家庭で、本当に必要な教育費はいくら?

データの確認:幼稚園から大学卒業までの平均教育費

教育費の準備は、まず敵の大きさを知ることから始まります。文部科学省の調査によると、子供一人が幼稚園から大学卒業までにかかる教育費の平均総額は、すべて国公立の場合でも約1,000万円、すべて私立の場合は約2,500万円とされています。特に負担が大きくなるのが大学費用で、4年間の学費と生活費を合わせると、国公立で約500万円、私立文系で約700万円、私立理系では約800万円以上が一つの目安となります。もちろん、これはあくまで平均値です。大切なのは、このデータを元に、「我が家では、どの進路を想定するか」という大まかな方針を立て、目標額をイメージすることです。

進路パターン教育費総額(目安)大学4年間(目安)
すべて国公立約1,080万円約540万円
高校まで国公立、大学のみ私立文系約1,340万円約690万円
高校まで国公立、大学のみ私立理系約1,470万円約820万円
すべて私立約2,550万円

出典:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」「国公私立大学の授業料等の推移」などを元に算出。

ゴールの設定:「大学入学時までに500万円」を最初の目標に

1,000万円という数字に圧倒されてしまうかもしれませんが、その全額を事前に準備する必要はありません。高校までの費用は、多くの場合、毎月の家計の中から捻出することが可能です。したがって、教育費準備における当面の最大のゴールは、最も大きな負担がかかる「大学進学費用」に設定するのが現実的です。
進路によって変動はありますが、まずは「子供が18歳になるまでに、500万円を準備する」という目標を立ててみましょう。この金額があれば、国公立大学の費用はほぼカバーでき、私立大学の頭金や入学金としても十分な備えになります。ゴールを具体的にすることで、月々いくら積み立てるべきか、という具体的なアクションプランが見えてきます。

【制度選択編】学資保険 vs NISA、我が家に合うのはどっち?

【守りの選択】学資保険のメリット・デメリット

学資保険は、教育費準備の最も伝統的な方法です。
【メリット】

  • 強制的に貯蓄できる:毎月決まった額が引き落とされるため、貯金が苦手な人でも着実に貯められます。
  • 親に万一のことがあっても安心:契約者である親が死亡した場合、それ以降の保険料の支払いが免除され、満期金は予定通り受け取れる「払込免除特約」がついています。
    【デメリット】
  • インフレに弱い:将来受け取れる金額が契約時に固定されるため、物価が上昇すると、お金の価値が実質的に目減りしてしまいます。
  • 返戻率が低い:貯蓄性はありますが、現在の低金利下では、支払った保険料総額をわずかに上回る程度のリターンしか期待できません。

結論:「元本割れのリスクは絶対に避けたい」「何があっても、子供に進学費用だけは確実に残したい」という、守りを最優先する家庭向けの選択肢です。

【攻めの選択】つみたてNISAのメリット・デメリット

つみたてNISAは、投資信託などを活用して、非課税で効率的に資産を増やすことを目指す制度です。
【メリット】

  • 高いリターンが期待できる:全世界株式のインデックスファンドなどに長期で積み立て投資をすることで、年率3〜7%程度のリターンが期待でき、学資保険よりも大きく資産を増やせる可能性があります。
  • インフレに強い:株価は、長期的には物価の上昇と共に成長する傾向があるため、インフレに強いとされています。
    【デメリット】
  • 元本保証がない:投資であるため、市場の動向によっては、積み立てた金額を下回る「元本割れ」のリスクがあります。
  • 親に万一のことがあった際の保障はない:学資保険のような払込免除の機能はありません。

結論:「元本割れのリスクを許容した上で、より高いリターンを目指したい」「インフレに負けない資産形成をしたい」という、攻めの姿勢で準備したい家庭向けの選択肢です。

おすすめは「NISAと保険のハイブリッド戦略」

では、どちらを選べばいいのか?最も合理的で、多くの専門家が推奨するのは「両方の良いとこ取りをするハイブリッド戦略」です。
具体的には、

  • ①つみたてNISAをメインのエンジンとして、長期的な資産の成長を目指す。
  • ②親の万一の備えとして、学資保険ではなく、安価な「掛け捨ての収入保障保険や定期保険」に加入する。
    この組み合わせにより、学資保険の「貯蓄」と「保障」の機能を分離し、それぞれをより効率的な金融商品で代替することができます。結果として、保険料を抑えながら、より高いリターンを期待できる、バランスの取れたポートフォリオを組むことが可能になります。

【実践編】教育費を無理なく捻出する「仕組みづくり」

STEP1:専用口座を開設し「先取り貯蓄」を徹底する

教育費の準備で最も重要なのは「生活費と教育費を完全に分離する」ことです。給料が振り込まれる口座とは別に、証券会社などで教育費専用の口座(NISA口座など)を開設しましょう。そして、給料日になったら、**生活費を使う前に、決まった額をその専用口座に自動で移す「先取り貯- –

STEP2:固定費の見直しで「種銭」を生み出す

「毎月、積立に回すお金なんてない…」と感じる方もいるかもしれません。その場合、日々の食費を切り詰めるのではなく、効果の大きい「固定費」の見直しで、教育費の種銭を生み出すのが王道です。

  • ①通信費(スマホ代):格安SIMへの乗り換えで、月5,000円〜10,000円の削減が期待できます。
  • ②保険料:不要な保障を見直すことで、月数千円〜1万円程度の削減が期待できます。
  • ③サブスク:利用頻度の低いサービスを解約し、月数千円の削減を目指します。
    これらの見直しで月1.5万円の種銭を生み出せれば、それをNISAで積み立てるだけで、18年後には元本324万円が500万円以上になる可能性も十分にあります(※年利5%で計算した場合)。

よくある質問

Q1: 子供がもう小学生なのですが、今からでも間に合いますか?
A1: もちろん、間に合います。気づいた今日が、一番若い日です。ただし、準備期間が短くなる分、月々の積立額を増やすか、リスク許容度を少し上げてリターンを狙うなどの工夫が必要になります。例えば、NISAの非課- –

Q2: 児童手当を教育費として貯めるのはアリですか?
A2: 非常に賢明な方法です。児童手当は、制度上「なかったもの」として全額を教育費専用口座に貯蓄・投資に回す家庭が非常に多いです。中学校卒業まで(※所得制限あり)に総額で約200万円になります。これを手をつけずに貯めるだけでも、大学費用の大きな基盤となります。

Q3: iDeCo(個人型確定拠出年金)は教育費準備に使えますか?
A3: 原則として、iDeCoは教育費準備には不向きです。なぜなら、iDeCoは老後資金確保を目的とした制度であり、積み立てた資産は60歳になるまで引き出すことができないからです。子供が大学に進学する18歳のタイミングで引き出すことができないため、教育費の準備は、いつでも引き出し可能なNISAなどを活用するのが一般的です。

まとめ

今回は、子供の教育費を準備するための「完全ガイド」として、具体的な目標額の設定から、制度の選択、そして実践的な積立の仕組みづくりまでを、網羅的に解説しました。

漠然とした不安を解消するための、具体的なアクションプランをもう一度おさらいしましょう。

【教育費準備 実践ロードマップ】

  1. 目標を設定する
    • 行動: 「子供が18歳になるまでに500万円」を最初のゴールに設定する。
    • 目的: 漠然とした不安を、具体的な数値目標に変える。
  2. 制度を選択する
    • 行動: 「つみたてNISA」をメインエンジンとし、親の万一の備えとして「掛け捨ての収入保障保険」を組み合わせるハイブリッド戦略を検討する。
    • 目的: 「貯蓄性」と「保障」を両立し、効率的に資産形成を行う。
  3. 仕組みを構築する
    • 行動: 教育費専用の口座を開設し、給料日に自動で積み立てる「先取り貯蓄」を設定する。
    • 行動: 月々の積立金(種銭)が足りない場合は、「通信費」などの固定費を見直して、無理なく捻出する。

教育費の準備は、100メートル走ではなく、18年という長い時間をかけて走るマラソンのようなものです。大切なのは、最初から完璧な計画を立てることではなく、たとえ月々5,000円からでも、今日から第一歩を踏み出し、走り続けること。 そして、その長い道のりを最も力強くサポートしてくれるのが、「時間」という最強の味方です。

この記事が、あなたの不安を具体的な行動へと変え、お子様の輝かしい未来への扉を開く、信頼できる”羅針盤”となれば幸いです。さあ、まずは証券会社のサイトを開き、NISA口座の資料請求をするところから、未来への準備を始めてみませんか?

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