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【インデックス投資 始め方 完全ガイド】初心者向け3ステップ

「インデックス投資が、長期的な資産形成に有効なのは分かった。でも、具体的に、何から、どういう手順で始めればいいの?」「証券口座ってどこがいい?S&P500とかオルカンとか、結局どっちを選べばいい?」
前回の記事を読み、次の一歩を踏み出したいと考えているあなたへ。この記事は、その疑問に一つひとつ丁寧にお答えする「インデックス投資 実践マニュアル」です。
インデックス投資を始めるための手順は、実は非常にシンプル。大きく分けてたった3つのステップで、誰でも今日から世界中の企業のオーナーになることができます。
この記事では、①証券口座の選び方、②具体的な投資信託(銘柄)の選び方、③買い方の設定まで、専門用語を避け、図解を交えながら分かりやすく解説します。この記事を読み終える頃には、あなたはもう迷うことなく、将来のための資産形成への、具体的な第一歩を踏み出せているはずです。

関連記事:【インデックス投資の罠】9割が知らない「始める前に」知るべきたった1つのこと

目次

【STEP1:器の準備】証券口座を開設しよう

なぜ「ネット証券」一択なのか?

インデックス投資を始めるには、まず「証券口座」という、株や投資信託を取引するための専用口座を開設する必要があります。証券会社には、駅前などにある「対面証券」と、インターネット上で手続きが完結する「ネット証券」がありますが、これから始める方は「ネット証券」一択と考えて問題ありません。
理由は以下の通りです。

  • 手数料が圧倒的に安い:インデックス投資では、手数料の低さが将来のリターンに直結します。ネット証券は、人件費や店舗コストがかからない分、売買手数料や信託報酬(投資信託の保有コスト)が非常に安く設定されています。
  • 取扱商品が豊富:人気の高い、低コストなインデックスファンドのほとんどは、ネット証券で購入することができます。
  • スマホやPCで完結:口座開設から取引まで、全てオンラインで完結するため、時間や場所を選びません。

初心者におすすめのネット証券2選

数あるネット証券の中でも、特に初心者の方に人気が高く、使いやすいのが以下の2社です。
【SBI証券】

  • 特徴:口座開設数No.1。取扱商品数が非常に多く、手数料も業界最安水準。TポイントやPontaポイント、Vポイントなど、貯まる・使えるポイントの種類が豊富なのも魅力。情報量も多く、迷ったらまずここを選んでおけば間違いない、という安心感があります。
    【楽天証券】
  • 特徴:楽天経済圏を利用している方に特におすすめ。楽天カードでの投信積立で楽天ポイントが貯まり、そのポイントでさらに投資信託を買うこともできます。サイトやアプリの画面が直感的で分かりやすいと評判で、初心者でも迷わず操作しやすいのが強みです。
証券会社特徴こんな人におすすめ
SBI証券口座数No.1、手数料最安水準、ポイントの選択肢が広いどのポイント経済圏にも属していない、総合力で選びたい人
楽天証券楽天ポイントが貯まる・使える、画面が直感的で分かりやすい普段から楽天市場や楽天カードを利用している人

口座開設に必要なものと、大まかな流れ

証券口座の開設は、スマホ一台あれば10分程度で完了します。
【必要なもの】

  • 本人確認書類:マイナンバーカード、または運転免許証+通知カード
  • 銀行口座
    【開設の流れ】
  1. 選んだネット証券の公式サイトにアクセスし、「口座開設」ボタンをクリック。
  2. メールアドレスを登録し、送られてきたURLから個人情報を入力。
  3. 本人確認書類をスマホのカメラで撮影し、アップロード。
  4. 数日〜1週間程度で、IDとパスワードが記載された書類が郵送またはメールで届き、開設完了です。

【STEP2:中身の選択】投資信託(銘柄)を選ぼう

全世界株式か?米国株式か?それが問題だ

インデックス投資の銘柄選びは、突き詰めると「全世界の成長に賭けるか」「アメリカの成長に賭けるか」という、2つの選択肢に集約されます。
【eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)】

  • 通称「オルカン」。これ一本で、日本を含む先進国・新興国など、全世界の約3,000社に分散投資できます。
  • 特徴:究極の分散投資。世界経済全体の成長の平均点を狙う、王道中の王道。
    【eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)】
  • アメリカを代表する優良企業500社(Apple, Microsoft, Amazonなど)にまとめて投資します。
  • 特徴:過去数十年のリターンは全世界株式を上回っています。世界の中心であるアメリカ経済の、今後のさらなる成長を信じる方向け。

どちらが正解ということはありません。迷ったら、より分散が効いている「全世界株式(オルカン)」を選ぶのが無難、というのが多くの専門家の一致した見解です。

チェックすべきは「信託報酬」の低さ

インデックスファンドを選ぶ上で、リターンと同じくらい重要なのが「信託報酬」という、保有している間ずっと払い続けるコスト(手数料)です。この信託報酬が0.1%違うだけで、数十年後にはリターンに数十万円〜数百万円もの差が生まれます。
先ほど紹介した「eMAXIS Slim」シリーズは、業界最低水準の運用コストを目指すことをコンセプトにしており、信託報酬が非常に低く設定されているため、多くの個人投資家から絶大な支持を得ています。インデックスファンドを選ぶ際は、必ずこの信託報酬が年率0.2%以下、できれば0.1%に近いものを選ぶようにしましょう。

【STEP3:実行】積立設定をしよう

「つみたてNISA」制度を最大限に活用する

投資信託を購入する際、必ず活用したいのが「NISA(ニーサ)」という制度です。通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座内で得た利益には税金が一切かかりません
特に、これからインデックス投資を始める方は、年間120万円までの投資額で得た利益が非課税になる「つみたて投資枠(旧:つみたてNISA)」を使いましょう。証券口座を開設する際に、「NISA口座も同時に開設する」という項目にチェックを入れるだけで利用できます。これは、国が用意してくれた、使わないと損な「ボーナスステージ」のようなものです。

「毎月」「一定額」「自動」で買い付ける設定

最後のステップは、買い方の設定です。インデックス投資の成功の鍵は、感情を排し、機械的に買い続けることにあります。

  • 頻度:「毎月」
  • 金額:「1万円」など、無理のない範囲で決めた「一定額」
  • 方法:「自動積立」

証券口座のサイトで、この3つを設定しましょう。例えば、「毎月1日に、楽天カード決済で、eMAXIS Slim 全世界株式を3万円分、つみたてNISA口座で自動的に買い付ける」といった設定を一度してしまえば、あとはあなたが何もしなくても、証券口座が自動で資産形成を進めてくれます。
設定したら、あとは忘れるくらいが丁度いい。それがインデックス投資との正しい付き合い方です。

よくある質問

Q1: 最初はいくらから始めればいいですか?
A1: ネット証券では、月々100円や1,000円といった少額から始めることができます。重要なのは金額の大小よりも、まず始めてみて、資産が少しずつ増えたり減ったりする感覚に慣れることです。まずは、ご自身の家計で「この金額なら、なくなっても生活に影響がない」と思える、無理のない範囲からスタートしましょう。

Q2: 株価が下がっている時も、買い続けて大丈夫ですか?
A2: はい、大丈夫です。むしろ、インデックス投資においては、株価が下がっている時こそ「安くたくさん買えるバーゲンセール」と捉えるのがセオリーです。毎月一定額を買い続ける「ドルコスト平均法」という手法は、価格が低い時に多く買い、高い時に少なく買うことになるため、平均購入単価を抑える効果が期待できます。狼狽して売ってしまうのが最悪の選択です。

Q3: iDeCo(イデコ)との違いは何ですか?どっちを優先すべきですか?
A3: iDeCo(個人型確定拠出年金)も、税制優遇を受けながら投資信託で積立ができる優れた制度ですが、原則60歳まで引き出せないという大きな特徴があります。一方、NISAはいつでも引き出し可能です。そのため、まずは流動性の高いNISAから始め、資金にさらに余裕があれば、老後資金専用としてiDeCoも活用する、という順番が一般的です。

まとめ

今回は、インデックス投資を具体的に始めるための「完全ガイド」として、誰でも、今日から行動に移せる3つのステップを解説しました。

複雑に見える投資の世界ですが、インデックス投資を始めるための手順は、驚くほどシンプルです。

【インデックス投資 始め方 3ステップ】

  1. 【器の準備】ネット証券で口座を開設する。
    • やるべきこと: SBI証券か楽天証券のサイトから、NISA口座を同時に申し込む。
    • 目的: 手数料が安く、商品が豊富な、投資のための最適な環境を整える。
  2. 【中身の選択】低コストな投資信託を1つだけ選ぶ。
    • やるべきこと: 「eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)」か「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」のどちらかを選ぶ。
    • 目的: 銘柄選びに悩む時間をなくし、世界経済の成長に賭ける。
  3. 【実行】「毎月・一定額・自動」で積立設定をする。
    • やるべきこと: NISAの「つみたて投資枠」を使い、無理のない金額で、自動積立の設定を行う。
    • 目的: 感情を排し、時間を最大の味方につける。

インデックス投資は、短期的に大儲けするためのものではありません。世界の経済成長を信じ、コツコツと資産を育てていく、マラソンのようなものです。
大切なのは、完璧な知識を得てから始めることではなく、少額からでも、今日から第一歩を踏み出し、市場に居続けること。
この記事を”地図”として、ぜひあなたも、将来の自分と家族のための、賢明な一歩を踏み出してください。

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